

こんにちは!顔に見えるロゴを見つけるとつられて微笑んじゃうえっちゃんです。
昨年、デザインの勉強を兼ねて「紙博」というイベントに参加してきました。
趣味としても大いに楽しめるイベントだったのですが、あまりの可愛さに惹かれ、ヴィンテージデザインの紙達をついつい大量に購入してしまいました。
今回はその中から、特にお気に入りのアイテムを実物の写真とともにご紹介します。
内容としてはほとんど自慢したいがための記事ですが、素人ながら簡単なコメントも添えています。
新米デザイナーのため、専門的な解説とは言えませんご了承ください><
好きなロゴやデザインを勝手に発表する会、略して【ロハス会】を勝手に始めますので、お付き合いくだされば幸いです!
ちなみに当日購入したお店はTHINGS ‘N’ THANKSさんとハチマクラさんです!
戦前のカニの缶詰ラベル

お気に入りのポイントは、ビビッドな黄色を背景に、同じく鮮やかなカニのイラストを大胆に組み合わせているところ。背景にこれほど強い色を用いるのは、なかなか思い切った選択ですが、それがポップでより印象的な仕上がりになっています。
このような大胆な色使いは、1950年代頃から登場した「ポップアート」の影響を感じます。有名なものはアンディ・ウォーホルによる《キャンベルのスープ缶》のように、今でもパッケージとして使われており、色あせないデザインですね。

配色としては、同一色相・同一トーンに近い組み合わせ。カニの赤と背景の黄色はどちらも彩度の高い色ですが、トーンが揃っていることで派手になりすぎず、調和の取れたまとまりあるデザインに仕上がっています。
このロゴは、当時のデザインによく見られる「文字多め」なスタイル。でも、その中で使われているフォントが意外にも直線的でシンプルなサンセリフ体なのが、過剰装飾に見えなくしている気がします。
情報が多くても散らかって見えないのは、こうした読みやすいフォントの存在が大きいのかもしれません。
一方で、カニのイラストの上に使われている書体は、アンティーク調のフォントで、クラシックな印象を持ちます。ひとつのラベルの中に、異なるタイプのフォントがいくつも共存していおり、そこに妙な魅力を感じます。
それでも散らかって見えないのは、当時のデザイナーたちが、限られた素材や印刷技術の中で工夫し、バランスを計算していたからかもしれません。

当時のデザイナーさんはバランス感覚がすごい!尊敬。
1940年のフランスの石鹸袋

時を経て少しくすんではいるものの、ベースに使われているターコイズブルーは非常に鮮やかで、今見てもキレイな色合いです。いわゆる「ティファニーブルー」にも近いこの色は清潔感があって、現代でも魅力的に見えますね。(ちなみにティファニーは1837年にニューヨークで創業)
デザイン全体からは、どこかモダンな雰囲気が漂います。控えめな装飾と、寒色系である水色に、アクセントとなる暖色の黄色の組み合わせが、どこか洗練された印象を生み出しています。
配色は、おそらく同一トーン配色。ターコイズブルーと黄色のコントラストは効いていながらも、トーン(明度・彩度)を揃えることで、調和の取れた印象です。
ロゴフォントは太めのサンセリフ体で、文字の色使いと立体感が個人的に好きです。
全体としては、直線ラインと円形を活かした幾何学的なデザインで、全体がすっきりしていて、「機能美」を感じます。
調べてみるとこの時代は、1919年に「バウハウス」という思想が流行り、その影響がまだ残っていた頃。バウハウスは、簡潔で機能性と美しさの共存を目指したデザインで、個人的にはこのラベルにもその雰囲気が残っているように感じます。
一方で、1950年代のポップアートが登場するまでの過渡期でもあり、ロゴのポップさと全体のシンプルさの両者が共存している面白いデザインです。

背景のモダンさと中央の女性の写実的な線の多さが、不思議とバランス取れていますね。
昭和の日本のレモンラベル

上記2つとは変わって、どこか馴染みのある昭和レトロなデザインです。
背景には、やや緑がかった鮮やかな青色、先ほどのフランスのデザインにそっくりなターコイズブルーに近い色合いが使われています。(くすんでほぼ緑になってはいますが)
西洋のデザインと共通するようなこの色づかいに、不思議な親和性を感じるのですが、調べてみると日本にも「新橋色」という、青緑系の流行色があったそうです。明治時代、新橋の芸者さんたちがいち早く海外文化を取り入れ、この色を好んで着こなしたことから名が付いたとか。色彩感覚における“おしゃれ”は、国を越えて共通していたのかも。
レモンのイラストは、ハーフトーンのドットで表現されたやわらかなグラデーションで、当時にこんな細かい印刷技術があったんだと驚かされます!
水色と黄色の色使いは、こちらも彩度をそろえた「同一トーン配色」に近い印象で、鮮やかさはありつつも全体としてのまとまりを感じさせてくれます。
昭和レトロのデザインに共通する特徴といえば、文字の曲線や手描きの温かみ。レモンのロゴはシンプルですが、カラフルでポップな配色が文字を目立たせています。
フォントに注目すると、「機械彫刻用標準書体」をベースにしたような、丸みのある昭和ならではの書体がチャーミングですね。文字の下部が長く、やや上重心なバランスが可愛らしさを感じます。

ちなみに、書いてある会社名を調べても、何も出てきませんでした。残念ながら、ウィンテージあるあるですね。
以上、ウィンテージ編①でした!お気に入り自慢が出来て幸せです。いつか次のロハス会で会いましょう~