
みなさん、どうも!!
ハナプレの「読書交換会」から派生して、短編小説座談会という企画が発足しました。
短編小説座談会とは、参加者が選んだ「人生で一番好きな短編小説」を全員で読んで語り合う会です。
参加メンバーはこの5人で、選んだ短編小説は以下の通りです。

いまちゃんが選んだ人生で一番好きな短編小説
「最悪の接触 ワーストコンタクト」
筒井 康隆
あらすじ
マグ・マグ人という異星人が、接触を申し出てきた。地球人の代表として、マグ・マグ人との初接触(ファーストコンタクト)をする任務を引き受けた主人公は、マグ・マグ人とは共通語での会話が可能だと聞いて、安心して現地へ向かう。その先で待ち受ける、マグ・マグ人の生態とは。

えっちゃんが選んだ人生で一番好きな短編小説
「おーい でてこーい」
星 新一
あらすじ
台風が過ぎ去った後、社の跡に大きな穴が出来ていた。試しに穴に向かって「おーい でてこーい」と叫び、石を落としてみるも、何の反応もない。やがて、人々はその穴にゴミを捨てたりと、有効活用し始める。果たして、穴の正体と、彼らの運命とは。

けーくんが選んだ人生で一番好きな短編小説
「手を握る泥棒の物語」
乙一
あらすじ
人生が上手くいかない主人公は、金持ちの叔母から金品を盗む計画を思いつく。しかし完璧に思えた計画もすぐに破綻し、ひょんなことから、盗みに入った先で女性と手を握ることになってしまう。幾つもの偶然と、手を握る二人の人生が重なり、たどり着く結末とは。

まなみちゃんが選んだ人生で一番好きな短編小説
「地獄とは神の不在なり」
テッド・チャン 訳:古沢 嘉通
あらすじ
天使がまるで自然災害のように現れる、神話的な現代社会が舞台。天使の降臨のせいで妻を失った男は、神を恨むのではなく、逆に神を愛さなくてはならない状況に陥る。神に対して異なる価値観を持つ、様々な境遇の人々の人生が混ざり合い、主人公の辿り着く先とは。

よーちゃん。が選んだ人生で一番好きな短編小説
「桜桃(おうとう)」
太宰 治
あらすじ
筆者が自ら命を断つその年に発表した、自身の苦悩を色濃く反映させた私小説。三人の子供と妻を養うために心労を抱える主人公は、明るく振る舞いながらも次第に思い詰めていく。「子供より親が大事」と自分に言い聞かせる彼にとって、桜桃(おうとう、さくらんぼ)の象徴することとは。
皆さん快く引き受けていただき感謝です。
座談会前にはこんなチラシが配られたり、


貸出カードを作って本を貸し借りしたりしました。

座談会は都合によって、よーちゃん。のみリモートでの参加となっています。
それでは、会の実際の様子をどうぞ。
座談会開始:プロットとストーリーの違い


まず最初に、僕がどうしてこの会を開こうと思ったか?について話したいと思います。
僕、少し前に映画の脚本を書いたんですが、それを色んな人に読んでもらった時に『脚本の人物描写が薄い』って指摘されたんですよね。そこで“プロットとストーリーの違い”について意識するようになりました。
映画業界において、プロットとストーリーは以下のように定義されるそうです。
・プロット
作品内で起こる出来事を順番に並べたもの
・ストーリー
登場人物の心理状態の変化を描いたもの

例えばミステリー小説なら、『事件が解決し、犯人が捕まる』がプロット上のオチで、『なぜ犯人が犯行に至ったのか、動機が解明される』がストーリー上のオチ、という感じです。
そう考えてみると、僕は作品を見る時にプロットばっかりを追って来た人生だったなと、その時感じました。

なるほどね。整理されると分かりやすいね。

で、僕みたいなASD傾向の人って、構造で物事を理解して、その分あまり共感しない傾向にあるらしいんですよね。その結果、僕は「作品の構造=プロット」ばかりを楽しむ癖があるんじゃないか?という仮説が立った訳です。
そこで、今回取り上げた5作品を、僕が読んだ主観でプロット寄りからストーリー寄りの順番に並べてみました。
プロット、構造寄り
いまちゃん推薦
「最悪の接触(ワーストコンタクト)」
↑
えっちゃん推薦
「 おーい でてこーい」
↑
けーくん推薦
「手を握る泥棒の物語」
↓
まなみちゃん推薦
「地獄とは神の不在なり」
↓
よーちゃん。推薦
「桜桃(おうとう)」
ストーリー、共感寄り

と言う訳で、今回の座談会は、一応この順番に基づいて進めていきたいと思います。
ちなみにこの順番、推薦者の名前の五十音順にもなっていて、かつ、司会の「いまちゃん」が最初で、「よーちゃん。」が最後で読点が付くという、素晴らしい並びになっています。


その小ネタはいいよ(笑)

それにしても、5つそれぞれの作品の傾向が、割とバラけてて良かったなと個人的には思いますね。

私は読んでて、全部の作品に対して、やるせなさを感じましたけどね。

確かに、明るい話が無い(笑)
明るいのは「手を握る泥棒の物語」ぐらいかな?

皆さん、どこまで喋ってくれるのか?は分かんないですけど、僕としては、推薦した人の性格とか傾向と、作品の内容が割とマッチしてたんじゃないかな?とも思いましたね。

そこまで話しますか?(苦笑)

僕はそこは、あんまり考えてなかったけどな。
さて、こんな感じで始まった座談会。次回からはネタバレありで、各々が選んだ作品の感想に移っていきます。
まずは、僕が選んだ筒井康隆の「最悪の接触(ワーストコンタクト)」からです。