急がば回れ

 一度は聞いたことや目にしたことがあると思う言葉なのですが、私のなかではおまじないの言葉になります。

体調不良で事業所を休みがちになったときに使います。

 一人でお布団の中にいるととてつもない焦燥感に襲われることがあります。理由もなく突然襲ってくるので自分でどう対処すればいいか分からなくなります。初めの頃は焦燥感に打ち勝つことが出来ず、一人取り残されていく感覚が拭えなくて思考がどんどん悪い方へ傾いていっていました。

 そんな中で出会った言葉が「急がば回れ」です。

 急ぐときは早道や危険な方法を選ばずに、むしろ回り道で確実で安全な道を通った方が結局は早く着けるものだという教えのことわざです。この言葉を唱えながら、焦っても仕方ない、今は休む時だということだ。明けない夜がないようにずっと体調が悪い日々が続くわけでもない。必ず体調は回復する。その為に今やることはとにかく休むこと。と自分に言い聞かせます。そんなことを言っても一ヶ月近くも寝込んでしまうと自信もなくなっていきます。それでも言い聞かせるのです。休む以上に有効な手段はないと。

 毎日事業所へ連絡することも難しくなった時、いよいよ言葉の魔法も効かなくなってきます。

焦って無理をして事業所へ向かいますが途中で力尽きてそのまま自宅へUターンです。そして数日また酷い体調不良に襲われます。もし無理をしていなければ2、3日早く通所出来るようになったのかもしれません。結局は「急がば回れ」なのです。

それが分かった現在はどんなに焦っても無理はしないようになりました。多少の無理はしないとダメな時ももちろんあります。それは長い付き合いである自分の体との相談になってしまいますが、今は無理しても大丈夫、いや今はダメだという心の声に素直になるというのが大事なような気がします。周りを誤魔化せても自分自身は誤魔化せないのです。いきなり直ぐに心の声は分からないもので、同じ経験を幾度となく重ねて徐々に聞こえてくるものだと思います。初めは焦りの声が大きくて無理をさせようとしてくるもので、そうか!と歯を食いしばってみても、食いしばれるわけがないのです。本心は休みたいなのですから。それはもう経験からしか得られないものなので個人差はあるかもしれませんが、焦ってもいいことはありません。もしかしたら0.01%の可能性で良いこともあるかもしれませんが、大抵はないと思います。

 それは他のことにも当てはまるような気がします。課題に取り組んでいても早く完成させたいという気持ちだけで取り組んでいると細かい部分が雑になってしまったり、いつもは気付けるミスにも気づけずに進んでしまう気がします。時間が掛かってもいいから丁寧に仕上げたいと思って取り組んだ時の方が案外時間が掛からずOKをいただけたりします。もちろん毎回そうとは限りません。どんなに丁寧に仕上げたいと思っていても、煮詰まってくると無意識のうちに早く完成させたいと思ってしまいがちだからです。煮詰まった時にこそ時間は掛かるものなのに気持ちは焦るばかりで。もういつになったら完成するんだと思いはじめると危険です。そんな時は指導員さんに早めに質問をするようにしています。何回も聞いていると質問もしづらくなってきますが、そこで心を折ってしまってはダメです。私たち利用者が前へ進めるように指導員の方がいるわけですから、どんどん質問はするべきだと思います。どう聞いていいか分からないといった方もいるかもしれません。かくいう私も質問するのは得意ではありません。むしろ苦手な部類です。なのでなんかしっくりきません。この辺りに違和感を感じますとなんとも曖昧な投げかけをしてしまうことが多々あります。指導員の方には本当に申し訳ないのですが、本当にざっくりと正解ではないということしか分からないんです。なのですが、私は恵まれた環境にいるのでしょう。こうした質問なのか分からない問い掛けにも指導員の方達は親身に話を聞いてアドバイスをしてくれます。話がすこし逸れてしまいましたが、こういったアバウトな質問は答えに辿り着くまでには遠回りになります。もっと明確に質問が出来れば早道になるのだと思います。それでも一人で悶々と考え込むよりかは幾分早道になる気がします。こうした早道はすべきだと思います。

 SNSでも同じことが言えるかもしれません。感情に任せて投稿したら炎上してしまった。晒されてしまったという投稿をごく稀にですが目にすることがあります。もし、一呼吸して落ち着いていたらそもそも投稿すらしていなかったかもしれません。していたとしても、言い回しが違ったかもしれません。たらればの話はしだしたらキリがないですが、もっと何事も落ち着いて行動することが大事なのではないかと思うのです。鍵をかけていない誰でも見れる状態であれば、画面の向こうに人がいるということを意識するべきだと思います。感情が昂っている時ほど「急がば回れ」です。ポジティブであれ、ネガティブであれ、一時の感情に任せて言葉を発信するのは危険です。一度落ち着いてからSNSは誰に見られても大丈夫な内容に留めておく必要があると思います。

 皆さん、時間は有限ではありますが焦っても大概上手くは行きません。それよりも落ち着いて心の声に耳を傾けてみてください。もしかしたら意外な答えが返ってくるかもしれません。

今回も長々と書いてしまいましたが、最後まで読んでいただき有り難うございます。

また思いついたことを書き連ねて語ろうと思いますので、その時はまたお付き合いいただければ幸いです。

この記事を書いた人

よーちゃん。

ライター始めました。まだまだ勉強中のひよっこですが、心に届く文章がかけるようになりたいという理想は高めな人間です。

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