
こんにちは!利用者のYです。
今日は私が実際に経験したことをお話しようと思います。
私はこの事業所に入所した当初表情がありませんでした。
無表情でどうやってこの子は笑うんだろう?と思われていたと後に施設長から聞きました。
当時は何においても関心が持てなく、ただ時間が流れていくことに身を任せて日々過ごしていました。
そんな私がどうやって物事に興味をもち、笑えるようになったのかというと、、、
それは人とのコミュニケーションをとるということでした。
それまでの私はごく限られた人と時々会う程度でほとんどの時間を一人で過ごしていました。
一人というのは徐々に言葉を奪っていきます。言葉を発する機会を失うと感情を表に出すことがなくなります。
それは見知らぬうちに心に蓋をするということへと繋がっていき、感情を失う負のスパイラルへと落ちていきます。
なにごとにも心が動かないと顔の筋肉も動かなくなり能面みたいな顔になります。
そして笑うことも忘れて表情が一切なくなるのです。その時はそれが当たり前のことなので何にも思っていません。
鏡も見ることがなかったので自分が表情を失っていることにも気付きませんでした。
相談支援員の方に「今の生活から一歩進んでみませんか?」と提案され、他の方と交流をもつということになって初めて気付くのです、自分の現状に。うつ病も当時は今よりずっと症状は重かったと思います。
初めて見る就労継続支援B型という施設。そこで働く支援員の方々と利用者の皆さん。私には遠い世界に感じました。
でも支援員さんが背中を押してくれたことや、施設長の明るく優しい人柄もあって私はここに通うことを決めます。
表情を取り戻すまでの第一歩を歩み始めるのです。そこからは日々大変でした。まず皆さんの顔を名前を覚えなければならない、作業の手順を覚えなければならない。〇〇しなければならないの連続です。別にゆっくり覚えていけばいいものを当時の私は一刻もはやく覚えなければならないと凄く焦っていました。心が悲鳴をあげているのも分からずとにかく「しなければならない」に囚われて頑張りすぎてしまいます。結果、週3回の通所も難しくなり寝込む毎日に逆戻りです。それでも嫌な態度一つ見せずに寄り添ってくださるスタッフの皆さんのお声がけに支えられて、通えない週もありましたが通える日も徐々に出来てきました。文章にするとあっという間に思われるかもですが、この期間は約2年程続きます。調子が良くなっては悪くなっての繰り返しです。表情もまだ本当の意味では戻っていません。心から笑ったり、誰かと話したいとは思えずに日々過ごしていました。それでも毎日出欠の連絡をすることで誰かと繋がっているということが一人ではないと感じさせてくれて、後にそれは自分にとってとても大きなことだったと気付きます。
事業所に通える日が多くなってきても、すぐに他の利用者さんと話せるようになる訳ではありません。スタッフさんは声を掛けてくださいますが、利用者さんは自分に与えられた作業をしているため、お昼休憩のときとかでないとなかなかタイミングがあいません。プラス、仮にタイミングはあったとしても共通の話題がみつけられないのです。好きな音楽もテレビドラマも一人になってから遠ざかっていたので自分から人に話しかけるという行為は非常にハードルの高いものでした。今でも人の顔と名前を覚えることと自分から話しかけることは得意ではありません。自分のことで精一杯で周りが余りよく見えていなかったときの私は側から見ると凄くマイペースな人間だったようです。実際マイペースなのですが、それに輪をかけてのマイペースぶりだったと。それからやっと答えられた発言が面白い!と言ってもらえることがしばしば出てくるようになりました。人から向けられる笑顔が嬉しかったことを覚えています。最初は挨拶しか出来なかったのが、時々、今どのような作業をしているのか自分から聞けるようになっていきました。共通の話題を作るために他の利用者さんが話していた内容のテレビを見たり、ネットで検索をしてみたりもしました。決して無理して探しているのではなく、自発的にそうしたいと思えたのです。
小さな心境の変化はどんどん私の中で大きな変化をみせていきます。好きな音楽もテレビドラマも再び聴いたり、見たりするようになっていき周りに対して興味が湧いてくるのです。凝り固まっていた心が徐々にほぐれていき、刺激という水を与えられるようになり、日々の些細な変化を見つけては喜べるようになっていきました。人と繋がりを持ってコミュニケーションをとるということは自分の心に刺激を与えます。それは良くも悪くもですが、ストレスを感じる人とは無理に付き合わず最低限の関わりに留められるように気をつけたいと今も勉強中です。良い関係を築ける人とは勇気を持って深く関わっていきたいと思っています。
私はこうして再び物事に関心を持つようになり、心が動くようになって表情を取り戻すことが出来ました。
もし、これを読んでいる人の中で最近一人になりたいなと思うことが増えたりしている人がいたら少し休息を取ってみてください。そして、一人でもいいので人との繋がりを全ては断たないでください。あなたの顔から笑顔がいつまでも消えないことを願っています。私もこれからは表情豊かな人生を歩んでいきます。
拙くて長い文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
これからも思いついた心の中の変化などを書き連ねていこうと思いますのでよろしくお願いします!